表紙

思い出の南極



『(1)南極観測隊員になったワケ』
 南極で越冬を終え帰国して今年で36年が経つ。記憶はその後の生活の中で薄れたり、また何かの拍子で思い出し修正強化されたりしてきた。これは「私の記憶の中の南極」についてのお話しです。「南極」は、私にとって心に残る経験でした。
 私が隊員に選ばれたのは、仕事の内容が関係した。30歳台半ばになっていたが、茨城県つくば市の研究学園都市にある気象庁気象研究所に勤務する研究官の時でした。私の南極での担当はオゾン層の研究で、赤外分光装置を使って地上に届く太陽光の赤外部の分光スペクトルを調べ、オゾン層に関係する大気中の微量成分の変化を調べるものだった。
 1970年台半ばごろ、冷蔵庫やスプレーに使われるフロンガスが成層圏まで拡散してオゾン層破壊を引き越すことが警告されはじめていた。フロンガスは、炭素原子を中心にして周りに4個の塩素(Cl)やフッ素(F)原子がくっついた物質で、化学的に安定で有用な人工物だったのだが・・・。
 国内のほか南極へも誰かを派遣してオゾン層を調べようという計画が持ち上がり、思い切って応募した。未知の世界と、未知の体験への挑戦だと思ったからです。



メーカー((株)日本電子)工場で観測装置点検中の川口貞夫教授と前隊長。手前右が筆者。








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