川内会長のウォーキング徒然草



2021・11 『43:ミトコンドリアと有酸素運動能力』
 有酸素運動は、循環器疾患予防だけでなく、健康回復、認知症予防にいたるまで、心身ともに健康な老後を送るにはなくてはならない健康法と広く認識されています。有酸素運動は肺で取り込まれた酸素が、心臓から拍出される血液により筋肉細胞に送られ、糖代謝により酸素が消費されてできたエネルギーにより筋肉が収縮することです。ミトコンドリアは細胞内における呼吸エネルギー代謝の中心となる細胞内小器官であり、細胞内でエネルギーとして利用されるATPの大部分を産生しています。
 私が循環器外科の道を歩み始めた1980年代後半には、有酸素運動能力を詳細に測定して心不全による廃用状態からの回復に活用しようという動きが活発になってきていました。ところが心臓だけ心不全から回復しても有酸素運動能力は改善しないことも経験されました。
 僧帽弁狭窄症の患者さんに当時の最新治療であるカテーテルによる治療を行い、心拍出量が正常化したにもかかわらず、翌週施行したエルゴメータによる心肺運動負荷試験では有酸素運動能力が改善しませんでした。東京大学で心臓弁置換術を試行した患者さんでも同様の経験がされました。手術後1か月の時点での心肺運動負荷検査では手術前と同じ酸素摂取量しか観察されず、有酸素運動能力の改善には、3か月近い期間が必要でした。医師達は自分たちの治療の正当性がどうして証明されないのか首をひねってしまいました。
 その後の運動生理学分野の研究により、有酸素運動は、骨格筋において毛細血管を新生させて血流量をふやすだけでなく、ミトコンドリアをも新生させてその酸化酵素活性の上昇により、糖代謝でエネルギーとなるATPを多数産生し、顕著な有酸素運動能力の向上をもたらすことがわかってきました。
 Yanたち(2012)は、持久性トレーニングとミトコンドリアについてのこれまでの論文を総括しました。持久性トレーニングはミトコンドリアの質と量を高めるというものでした。持久性トレーニングはミトコンドリアの数を増やすとともに、そのネットワークの機能や効率を改善させます。ミトコンドリアのネットワークの改善は、ミトコンドリアの発生と機能不全となったり、損傷したりしたミトコンドリアの除去によって始まります。また、ミトコンドリアはATPの酸素を使っての産生に不可欠であるばかりではなく、カルシウムイオンの平衡能や筋細胞の酸化・還元状態に影響します。
 しかし、酸化ストレスや加齢によってミトコンドリアは他の細胞内小器官と同じように損傷しやすく、破壊されやすい。ですから、ミトコンドリアを制御するということは、ミトコンドリアの発生から、損傷したり、機能不全となったりしたミトコンドリアの除去までにわたっています。
 このように、骨格筋のミトコンドリアの量と質を高める持久性トレーニングのはたらきは、古い不健康なミトコンドリアを新しい健康なミトコンドリアに置き換えるダイナミックな過程であり、俗な言い方をすれば、「古い自動車の代わりに、環境を汚染しない燃費効率の高い新車を購入するようなものである。」とYanたち(2012)は述べています。




2021・10 『ミステリアスシィ 東松山の3つの謎』
 2021年11月、「3年間待ちに待った東松山市日本スリーデ―マーチが開催されます。そこで今日は東松山3つの謎を紹介したいと思います。
 第1の謎、東松山には何故東がつくのか。
 東松山市の周辺の地図どこを見ても、西松山市がありません。ちなみに、台湾の台北市には松山空港がありますが、台湾にも西松山市はありません。ではなぜ“東”松山市なのでしょうか。松山市民の皆さんはご存知のことと思います。1954年に松山町・大岡村・唐子村・高坂村が合併して東松山市が成立したときに、四国にはすでに「松山市」がありました。そこで、松山町は東松山市を名乗ったそうです。
 第2の謎、東松山市では 何故1年に2回牡丹の花が咲くのか。
 牡丹は、ボタン科ボタン属の落葉低木です。春から梅雨の時期にかけて、バラのように美しく大きな花を咲かせます。ボリュームたっぷりのあでやかな花姿は、1輪あるだけで気品と風格を漂わせていますよね。そのゴージャスな花姿から、「風格」という花言葉をもつようになり、原産国の中国では「花神」「花王」という別名で呼ばれることもあります。東松山では春と秋に2回牡丹の花が咲きます。何故でしょうか。秋の牡丹の花は夏の間花の芽を冷凍室で保存するのだそうです。
 第3の謎、ピオニメーツはなぜ美しいか。
 東松山市長がどこに行くにも連れていく2人のピオニメーツ。牡丹の花のようにゴージャスでかつ愛らしい美人ですね。東松山市のお嬢さんだそうですが、美人になるには何か秘訣があるのでしょうか。これは大ミステリーですね。市長さんに聞いてみましょう。




2021・10 『外に出て歩きましょう』
 緊急事態宣言も終了し、街にも人の数が増えてきました。私たち高齢者も家を出て身体を動かし、ウォーキングを楽しみましょう。
 久しぶりにウォーキングをする前にはまずゆっくりと体をほぐして深呼吸をしましょう。
 米国心臓病学会は指導者がついていない環境で運動を始めるとき注意すべき8つの項目を挙げています。

1. 気分が良いときのみ運動する
2. 食後すぐに激しい運動をしない
3. 天候に合わせて運動する
4. 適切な服装と靴を着用する
5. 自分の限界を把握する
6. 適切な運動を選択する
7. 自覚症状に注意する
8. ゆっくりと開始して徐々に進めていく

1.気分が良ければ身体に全くないとは言い切れませんが、身体の調子が良く、休養も十分とれているときは気分が良いものです。まずは、気分の良いときに運動を始めるようにしましょう。発熱や気分不快などの症状があった時には、症状が消えてから2日以上待ってから運動を始めましょう。
2.胃腸、肝臓、すい臓、脾臓などの腹腔内臓器には心拍出量のおよそ30%の血液が供給されています。そして、食事をとった直後は、食物を消化吸収するために胃腸への血液が急速に増加します。食後すぐに激しい運動をすると、胃腸と筋肉両方へ十分に血液を供給することができません。そのためにこむら返りを起こしたりします。胃や腸にたくさんの食餌がはいったまま運動をすると、気持ちが悪くなったり嘔吐したりすることもあります。食後は一休みしてから運動をしましょう。
3 厳寒の朝にウォーミングアップもそこそこに急に激しい運動をすると狭心症どや心筋梗塞を起こすことがあります。暑い時には熱中症や脱水によるけいれんも起こしえます。天候に会った運動の仕方を考えましょう。
4.運動をするときの服装も天候に合わせましょう。夏は直射日光による熱中症にならにように帽子をかぶり薄手の服装にします。冬は暖かさを保てる服装にします。靴はジョギングやウォーキングでは走りやすいあるいは歩きやすい靴を履くなど運動にあった靴を選びましょう。
5.病気のある人はどの程度まで安全に運動できるか主治医と相談しましょう。病気の見つかっていない人や病気のない人でも、年齢や体力に応じた運動の限度をかかりつけ医と相談しながら運動を進めましょう。
6.運動習慣の少ない人は有酸素運動から始めましょう。高齢者では筋力の低下が運動を制限する因子となることも多いのでレジスタンス運動も軽い負荷から加えていきましょう。
7.運動中や運動後の身体の痛みや疲労感、不快感や痛みなどをよく確認しましょう。運動中に呼吸困難を感じるときや、痛みや疲労が改善しないとき、不眠が生じるときは医師に相談しましょう。
8.急に激しい運動を始めると、関節や筋肉などの運動器に障害を起こすことがあります。運動を繰り返すに従い、筋力や有酸素運動能力、関節や筋肉の柔軟性も改善します。運動は1日の中でも、運動プログラムの中でも軽い負荷から始めて進めていくことが事故防止に肝要です。

 みなさんは運動をしていなかった期間に病気をしたり、体調を崩していませんでしたか。思い当たる人はかかりつけの医師に「運動を始めてよいか」相談をしてください。




2021・10 『御会式 桜』
 毎年十月十三日は、弘安五年(1282)に、武州池上の本門寺で入寂した日蓮上人忌日の御会式で、またこれを法花会式とも御命講とも日蓮忌ともいわれます。この会式の催される時分にちょうど花の咲くサクラがあって、通常これは御会式桜と呼ばれます。
 このサクラの本名は十月ザクラという。すなわち彼岸ザクラ(東京の人のいうヒガンザクラは『大和本草』にあるウバザクラで、一つにウバヒガンと呼ばれまたアヅマヒガンともエドヒガンとも称えられるものである)この十月ザクラは絶えて野生はないのだが、国内諸所に植わっており、何も珍種と称するほどのものではない。秋季に一番よく花が咲き、そして冬を越して春になってもまた花が咲くのだが、しかし秋よりは樹上に花の数が少ない。その花は小さくて淡紅色で普通には半八重咲だが、また一重咲のものもある。そして秋の花には往々多少は枝に葉をともなっている。
参考文献:牧野富太郎.植物一日一題

写真は新宿御苑の御会式桜。






2021・4 『○○老いなき世界』
 ハーバード大学医学大学院教授であるデヴィッドA. シンクレアは著書「老いなき世界」の中で老化はなぜ起こるかを自身の20年間の研究の総括として以下のように結論付けている。

「老化とは情報の喪失である」。

 人間の体内の情報とは、DNAを構成する塩基の配列によるデジタル情報であるゲノムと、DNAの2重らせんがどのように3次元の立体として構成されているかというアナログ情報であるエピゲノムからなる。
 ゲノムとは、アデニン、グアニン、シトシン、チミンの4つの塩基の配列によりDNAの2重らせんに記録されたデジタル情報であり、アデニンとチミン、グアニンとシトシンが必ず対をなすことで、40億年もの昔から遺伝情報を正確に保存・複製することができてきた。
 エピゲノムとは親から子へと受け継がれる特徴のうちDNAの文字配列そのものがかかわっていないものを指している。DNAの長い鎖は、数珠のように並んだヒストンという球状のタンパク1個当たりに2回ずつまきついている。その巻き付き方の強弱により、遺伝子のスイッチのon-offがきまる。ヒストンへの巻き付き方が強いとDNAの読み取りは始まらない。巻き付きの弱い場所ではDNAの読み取りが始まる。読み取りのはじまる場所が移動することで同じ配列のDNAでも異なる指令が出せる。このように、DNAの巻き付き方、折りたたまれ方が長いDNAの鎖を細胞核内に収納する仕組みでもあり、遺伝子を管理する情報でもある。
 ヒトの新生児はたった一個の受精卵からはじまるが、生まれてきたときには260億以上の多種多様な細胞から構成されている。ヒトの細胞のDNA情報は基本的にはすべて同じなのに、ヒトの細胞は皮膚や脳神経、消化管や筋肉、骨などきわめて多くの種類の細胞に分化している。細胞の分化をつかさどる遺伝の情報は「エビゲノム」と呼ばれ、DNAの文字配列によらない遺伝の仕組みは「エビジェネティクス」と呼ばれている。
 さて、老化のメカニズムをシンクレア教授は、以下のようにモデル化した。
 若さによる生体の活動はDNA読み取り違いにより遺伝子情報の損傷をおこす。DNAの損傷は修復もなされるが、DNAの損傷と修復の過程はゲノムの不安定化をもたらし、さらにはアナログ遺伝子情報であるエピゲノムの機能障害を引き起こす。その結果として細胞内の機能喪失を生じ、細胞の老化が進み、人体の老化が進行し、細胞全体の死すなわち人の死亡が起こるというのである。
 遺伝子研究の発展により老化を治療するサーチュイン遺伝子が発見され、同定もされている。サーチュイン遺伝子を働きやすくさせる薬剤や遺伝子の作用機序もわかり始めている。動物実験ではマウス寿命が延びたことが確認されており、人間では未実証だが、シンクレア教授は、かなり近い将来、老化の治療が可能になると宣言している。
 それでは長生きをするための生活方法や薬はあるのでしょうか。次回シンクレア教授の提言をご紹介したいと思います。

参考文献:「ライフ・スパン 老いなき世界」デビット・A・シンクレア/マーシュ・D・ラプラント著 梶山あゆみ訳 東洋経済新聞社




2021・3 『100歳を超えて生きることができますか』
 織田信長は「人間五十年、下天のうちを比べれば夢幻の如くなり」という敦盛の一節を好み、本能寺で落命したのは48歳であったというが、安土桃山時代の平均寿命は30歳代、江戸時代の平均寿命は32-44歳と推定されている。昭和から平成・令和と世界に冠たる平均寿命を誇っている日本人ではあるが、その平均寿命が確実に40歳を超えたのは大正時代に入ってからであり、50歳を超えたのは実に第二次世界大戦後のことである。
 徳川家康は75歳まで生きたことも知られているし、江戸時代の浮世絵師葛飾北斎は90歳まで生きたことがわかっている。平均寿命が短かったのは若年のうちに死亡する人が多かったからであるが、平安時代でも記録から判明する20歳以上になった貴族の死亡年齢は平均60歳、鎌倉時代の死亡年齢の判明している人の死亡年齢も平均60歳であった。その結果として、鎌倉時代の御家人の引退年齢は70歳、江戸時代でも、幕臣の老衰引退は70歳以上とされていたために、江戸城には70歳を超える役人が50人以上いたとされている。
 生きているヒトの数は50歳をこえると急激に減少し始める。19世紀の英国の数学者ゴンバーツによれば、50歳を超えると加齢によって死亡する人の数は8年毎に倍増するために、100歳を超える余地は極めて少ないとした。21世紀の現在でも状況はあまり変わっていない。先進国で暮らすのであれば80歳まで生きることは期待できても、100歳まで達するのは100人のうち3人であり、115歳になるのは1億人にひとりといわれている。
 ではヒトは何歳まで生きられるのだろうか。デビッド・A・シンクレアハーバード大学医学大学院教授は、老化は病気の一つであり、今後の研究を踏まえて努力を続ければ、多くの人が100歳を超えて生きていくことも可能になると言っている。
 2020年、世界最高齢の日本人女性は117歳の田中カ子(カネ)さん であり、男性の最高齢は110歳。100歳以上の88.2%が女性である。
 1日1Km歩くと考えるより、1日1km歩いて1日健康な日を長くする、という気持ちでウォーキングを楽しみましょう。




2020・11 『20年後(2040年)の健康な老後に向けて』
 私の勤務する小金井リハビリテーション病院はJR中央線武蔵小金井駅が最寄りの駅です。医療圏としては北多摩南部というエリアで、都心に通勤する住民やその家族が多く居住する住宅地です。東京都地域医療構想アドバイザーである一橋大学経済学研究科の高久玲音、高橋雅生氏の分析によれば、北多摩南部地域では、2030年以降には高齢化が加速し、90歳以上人口が増加、死亡者数も増加します。2040年には入院患者数も現在よりは増加します。入院患者の41%以上が80歳以上となり、要介護認定者数は56%増加、とくに要介護4、5認定の高齢者が増加します。呼吸器疾患、骨折および外因、循環器疾患の増加率が高くなると見込まれています。この傾向は私たちの居住する地域だけの特徴ではなく、東京都の医療圏全般に当てはまります。
 現在66歳の20年後には私は86歳です。私たちの世代はまさにこの医療予想の真っただ中です。座して待つだけであれば、呼吸器、循環器疾患、あるいは転倒による骨折などで入院し要介護4あるいは5の認定を受ける患者への道が待っているのです。
 ではどうすればよいのでしょうか。呼吸循環機能を必要とする有酸素運動つまりはwalkingを習慣的に行う必要があります。年々低下していく呼吸循環機能をなるべく高く(なるべく低くならないように)維持しなければなりません。肺が酸素を取り込み、心臓が血液に乗せて酸素と栄養を送り出しても、筋肉が酸素と栄養を利用して運動をしなければ酸素摂取は増加しません。60歳を過ぎると筋肉は毎年1-2%減少していきます。良くwalkingしさらに良質なたんぱく質を摂取して良好な筋肉を保持しなくてはいけません。
 Coronaの感染が危惧される今日この頃ですが、天気の良い日には密集を避けて外出し、家族や友人とあるいは一人でwalkingを楽しんでください。それには全国各地にあり365日楽しめる常設のwalkingコースであるイヤーラウンドコース(http://ivv-jva.com/walkingstations.html)がお役に立ちます。
 ぜひ3蜜をさけてwalkingを楽しみましょう。




2020・11 『那珂湊駅イヤーラウンドコース』
 2020年10月17日ひたちなか鉄道の那珂湊駅がyear round courseを開設しました。駅から近い。江戸末期の反射溶鉱炉など水戸藩ゆかりの見どころがある。港のおさかな市場には美味しいものがある。と3拍子揃っています。私はコース途中の「願入寺」で御喜捨をさせていただいたうえで、高さ3.5m重さ22.7トンの大鐘を突かせていただきました。おりからの小雨の中に染み渡る良い音色でした。







2020・8 『熱中症予防には冷えたペットボトルを持ちましょう』
 今年も8月に入り猛暑が続いています。最高気温が40℃以上の日が各地で続いています。脱水に気を付け、体温に気を付け熱射病にならないように気をつけましょう。
 米国Stanford大学のCraig Heller教授は、熱中症の治療に効果的な特殊な冷却手袋を発明しました。野球のグラブのような大きさの手袋ですが、この手袋に手を入れて軽い陰圧をかけると、手のひらの動脈と静脈をつなげている動静脈吻合と呼ばれる細い血管が拡張します。拡張した血管に流れる血液を手のひらを通して低水で冷やすことで、頸部、腋窩、そけい部を冷却するというこれまでの方法より効果的に下げることができるというものです。実際には40℃の部屋でトレッドミル歩行を行い、食堂温が39.2℃になったら@安静にする。A頸部、腋窩、そけいぶを冷却する。B冷却手袋で手のひらを冷却する。の3通りの方法を比較しました。安静での体温降下は10分間で0.04℃、頸部等の冷却では0.17℃、手のひら冷却手袋だと0.30℃という結果を報告しています。
 では、冷却手袋のない私たちは実際にはどうすればよいのでしょうか。NHKの番組で私たちにもできる効果的な方法を考案・紹介してくれました。自動販売機のペットボトル(5℃)がすこしあたたまったくらい(15℃)のものを持って歩くと15分くらい冷却効果が続くということです。また、ペットボトルを持って歩くと、上半身の運動をしながら歩く効果もあります。冷えたペットボトルを持って歩きながら残暑を乗り切りましょう。




2020・5 『イヤーラウンドコースを歩きましょう』
 新型コロナウイルスはいまだ終息したとはいえませんが、ウォーキング大会の中止をはじめとした多くの組織の協力や医療関係者の献身的努力により爆発的な感染拡大にはいたってはいません。県や地方自治体によっては各種の自粛要請の緩和も始まってきています。それでも、外出を控えて自宅にこもっていると、気持ちもふさいできたりします。さらに高齢者では、長期間と体を動かさないでいると、体力が落ちてその回復が困難なことがあります。
 このような時こそウォーキングです。ひさしぶりに歩くときは、いつもよりゆっくりとしたスピードで歩きましょう。息切れのしないスピードで十分です。最初は10-15分くらいから始めてみましょう。疲れたり息が切れたりしなければ30分くらいに時間をのばしていきます。疲れがたまらないように、歩いた翌日は休むことにしましょう。慣れてきたら週に3回から5回歩くようにします。
 家庭の用事や仕事、子育てなどで週末あるいは1週間に1回しか歩けない人は、少しずつ歩く時間をのばして2-3時間歩けるようにしてください。
 体が慣れてきたら、地元にあるイヤーラウンドコースを歩きましょう。公共交通機関を使用して移動する際は混雑のない時間を選び、家族や友人と少人数でソーシャルディスタンスをとりながら歩きましょう。




2020・4 『家の中でもできるレジスタンストレーニング』
 COVID-19 による外出禁止要請のために、食料品など生活必需品の買い出し以外には家から出られず、精神的にも身体的にも運動不足によるストレスが溜まっているのではないかと思います。とくに60歳を過ぎて高齢になればなるほど、半月や一か月の運動不足から筋力が低下してしまい、その後の体力回復に苦労される方も多いことと思います。海外ではベランダでフルマラソンの距離を走ったなどという人たちもいるようですが、我が家のベランダもそれほど大きくありません。ではどうすればよいのでしょうか。
 2000年以来、 アメリカ心臓病学会は、 有酸素運動だけでなく、筋力強化(レジスタンスエクササイズ)も心血管疾患の患者に処方することを推奨しています。抵抗運動の代表的な効果は、筋肉の強化効果だけでなく、高齢者の転倒防止にもあります。さらに、最大酸素摂取量を増加させ、特に基礎代謝を活性化します。

 家の中でもできるノルディックポールを用いたレジスタンストレーニングをご紹介しましょう。ノルディックポールを用いることで立位の姿勢が安定します。さらにポールにより体幹や足腰の負荷が軽減されて無理のないトレーニングができます。ノルディックポールをお持ちでない人は、柱や壁に手をついて身体を安定させることで代用してください。
 最初は1日1セットから始めてください。楽に行えるようになったら、1回1セットを1日に2-3回繰り返すようにしましょう。

まずノルディックポールを体の前方、肩幅より少し広くついて体を安定させて行います。

1)かかと上げ

 ふくらはぎの筋肉に力を入れてゆっくりと母指球の上に体重を移してつま先立ちをします。1セット10回。かかとを上げる動作下げる動作は急がずに,慣れてきたらかかとを上げたところで5秒程度止めてからおろします。

2)つま先上げ

 下腿前面の筋肉,前脛骨筋に力を入れてかかとでたち,つま先の上がったところで一度静止します。お尻を後ろに突き出したり,膝が伸びきったりしないように気を付けましょう。1セット10回です。

3)もも挙げ

 まっすぐ立った姿勢でももを上げます。インナーマッスル(腸腰筋)の強化です。左右10回ずつ、スピードが速くならないように、ていねいに上げましょう。慣れない人は楽な高さで、慣れている人は膝が直角になるまで上げましょう。

4)ゆっくりスクワット

 スクワットは、体幹、骨盤、大腿、下腿のすべての筋肉を鍛えることのできる運動です。足を肩幅に開きつま先を10時と2時の方向に開きます。ポールをつま先より前方、体幹から20p程はなしてつきます。 腕を伸ばしてポールを外側に開きます。 お尻を後方に突き出してバランスをとりながら、膝を曲げて体幹を沈めます。体を上下する際につま先立ちにならないように気を付けます。最初は4-6回、慣れてきたら1セット10回。

5)脚荷重トレーニング

 低い段を、ポールを使って上り降り。高さ設定の最初は10pくらいから始めるのが良いでしょう。同じ足で続けて上ると疲れやすいので、左右交互に片脚10回ずつ行います。





2019・10 『週末ウォーカーの運動効果について』
 2018年、米国心臓協会年次集会で発表された最新版の身体活動ガイドラインでは、米国では早期死亡の原因の10%を運動不足が占めているとされました。忙しい仕事をされている皆さんは、週末にしか運動をする時間が得られず、1週間に3-5回の運動の機会を持つことはできないかもしれません。週末だけの運動でも健康に貢献するのでしょうか。  今回の改訂では、1週間に行うべき推奨運動量の変更はありませんでした。これまでと同じく、150-300分の中等度の有酸素運動あるいは、高度の有酸素運動75-150分を行うことが最も有効であると推奨されています。運動は週に3日以上に分けて行うことが良いのですが、1週間あたり1-2日にまとめて行っても同様の効果が得られるともされました。
 平日に忙しい人は、週末に1-2日、10qあるいは20qのwalkingあるいはテニスなどをすることでも、運動の効果としては良好であると考えられます。
 一般成人は、有酸素運動以外にもレジスタンス(筋力)トレーニングを1週間に2日以上加えることも推奨されました。週末しか時間のない人も、ゴミ出しや重すぎない(腰を痛めない程度)荷物の移動などの家事仕事をしましょう。
Piercy KL et al. JAMA, 2018 Nov 12




2019・8 『手のひらを冷やして熱中症対策』
 米国Stanford大学のCraig Heller教授は、熱中症の治療に効果的な冷却手袋を発明しました。この手袋に手を入れて軽い陰圧をかけると、手のひらの動脈と静脈をつなげている動静脈吻合と呼ばれる細い血管が拡張します。拡張した血管に流れる血液を手のひらを通して低水で冷やすことで、頸部、腋窩、そけい部を冷却するというこれまでの方法より効果的に下げることができるというものです。実際には40℃の部屋でトレッドミル歩行を行い、食道温が39.2℃になったら@安静にする。A頸部、腋窩、そけい部を冷却する。B冷却手袋で手のひらを冷却する。3つの方法を比較しました。安静での体温降下は10分間で0.04℃、頸部等の冷却では0.17℃、手のひら冷却手袋だと0.30℃という結果を報告しています。
 では、実際にはどうすればよいのでしょうか。NHKの番組で紹介された方法では、自動販売機のペットボトル(5℃)がすこしあたたまったくらい(15℃)のものを持って歩くと15分くらい冷却効果が続くと紹介しています。また、ペットボトルを持って歩くと、上半身の運動をしながら歩く効果もあります。この夏は冷えたペットボトルを持って歩く人が増えそうですね。




2019・7 『週に60分までのレジスタンス運動が心筋梗塞や脳卒中に有効』
 2019年10月29日「Medicine & Science in Sports & Exercise」オンライン版よりこれまでにレジスタンス運動の脂質異常症やメタボリック症候群に対する有効性を報告し ている米国アイオワ州立大学のLEE准教授らは、1週に60分の筋力トレーニングなどのレジスタンス運動が心筋梗塞や脳卒中の発症リスクが有意に低下する可能性がことを報告しました。
 1987〜2006年に2回以上診察を受けた男女1万2,591人(平均年齢47歳)を対象に、平均で5.4年および10.5年間の追跡調査を実施した結果、週に1〜3回または60分未満のレジスタンス運動を行った人では、全く行わなかった人と比べて、CVDイベントの発生リスクが40〜70%低いことが判明しました。レジスタンス運動によるこれらの効果はウォーキングやランニングなどの有酸素運動の効果とは独立していました。さらに、レジスタンス運動をより頻回(週に4回以上)あるいは週に60分以上行っても心臓血管疾患のリスクはこれ以上低下しませんでした。




2019・6 『高齢者はタンパク質を取りましょう』
 高齢者の日常生活能力の低下にはサルコペニアあるいはフレイルが関係していると言われています。サルコペニアは筋肉量の低下から筋力低下を起こす低栄養状態。身体的フレイルでは栄養低下から身体活動量がさがり、日常生活能力が低下します。高齢者で、意図していないにもかかわらず3−6ヶ月のあいだに2-3sの体重減少した時は低栄養によるサルコペニアやフレイルを疑います。

身体的フレイル(Frailty):日本版診断基準
1) 体重減少:この2年間で5%以上体重が減りましたか
2) 疲労感:自分は活力に満ち溢れていると感じますか。Noの人
3) 身体活動の低下:軽い運動・体操&定期的な運動・スポーツをしていますか。Noの人
4) 握力低下:男性;26s未満、女性;17s未満
5) 歩行速度の低下:1.0m/s未満

 上記5項目中3項目以上該当した場合をフレイル。1-2項目該当した場合をプレ・フレイルと診断します。
 フレイルやサルコペニアの状態は回復可能な状態であると考えられていますが、高齢者では同じ量の筋肉を再生するのに若年者のほぼ倍のタンパクを摂取する必要があります。
 このために、高齢者では1.2g/kg/day(0.4g/kgx3回)のタンパク摂取が必要と考えられています。さらに、トレーニングの後に必須アミノ酸であるロイシンを摂取することも有用と考えられています。




2019・3 『心身の健康のためにお風呂に入りましょう(その2)』
〇遠赤外線温浴による和音療法は心不全の有効な治療法です。
 鄭 忠和元鹿児島大学循環器呼吸器代謝内科教授の始めた和温療法は、慢性心不全の治療法として厚生省のガイドラインに掲載され、欧米でも認められています。一般的にはプールやお風呂に肩の上までつかることは、心不全の患者さんでは禁止されています。抹消から心臓に戻る血液量が急に増えて心臓に負担をかけるからです。
 「和温療法」は「室内を均等の60℃に設定した遠赤外線乾式サウナ治療室で全身を15分間温めて、サウナ出浴後さらに30分間の安静保温を追加して、最後に発汗に見合う水分を補給する治療法」です。60℃・15分間の乾式サウナ浴で深部体温は0.8 ℃ 〜1.2 ℃ (平均1.0 ℃)上昇します。この約1.0 ℃の深部体温の上昇は安全で副作用はなく治療効果を発揮します。「和温療法」は全身の血管機能を改善し、動脈・静脈を拡張させて全身の血管抵抗を低下させ、心臓に対する前負荷・後負荷を軽減し、その結果、心拍出量は増加して全身の血液循環を促進します。
(http://www.waon-therapy.com/message.html)




2019・3 『武蔵野十里』
 2019年3月10日は武蔵野十里でした。川越中央小学校から東松山スポーツセンターまでの22qを歩きました。
 20qスタートの川越中央小学校に行くと梅の花が咲いていました。まずは、川越の喜多院、仙波東照宮、川越の小江戸通りの街並みを歩きました。お店には美味しそうな江戸菓子がたくさんありましたが、歩き出したばかりでしたのでがまんがまんでした。珍しい青色の蔵のお醤油さんもありました。
 後半12qほどはさいたま市から来た88歳の男性と一緒に歩きました。昨年は40qを歩かれたそうです。すごいですね。
 歩き終わってから、東松山駅前の餃子を美味しい食べてビールを飲んで帰りました。








2019・2 『南房総フラワーマーチ』
 2019年2月16-17日は南房総フラワーマーチでした。前日までは雪でしたが、何とか天気は改善し、皆さんが帰り着くころには温かくなりました。昨年から開催時期が早まりましたが、今年は河津桜をはじめ、梅、椿など多くの花が咲いていました。ベテランのwalkerから幼稚園児まで多くの人が参加していました。私も2日間歩きました。1日目はまず山を越していく上り坂から始まるので、海岸に出るころには疲れが出てきました。2日目は平たんなコースでしたので、皆さん余裕を持って歩けたと思います。チェックポイントで食べた柚子味のソフトクリームが大変美味でした。

 
 
 


 





2019・2 『1日に30分ほど椅子から立ち上がって運動するだけで、余命が延長する』
 米コロンビア大学のKeith Diaz氏は「デスクワークや座りがちな生活習慣の人は、できる限り立ち上がって動くことで、早期死亡リスクを減らすことができる。運動はランニングなどの高強度のものでも、ウォーキングなどの軽めのものでもよい」と発表しました。
 この研究は、脳卒中のリスク因子などの検討を目的とした大規模な観察研究であるREGARDS(REasons for Geographic and Racial Differences in Stroke)研究に参加した45歳以上の男女7,999人を対象としたものです。2009〜2013年に、参加者には活動量計を4日間以上装着してもらい、座位時間を測定した後、2017年まで追跡しました。その結果、座り続ける代わりに、1日30分でも軽い運動を行っていた人は、そうでない人に比べて早期死亡リスクが17%低いことが分かりました。また、運動の強度を高めると、より大きな効果が得られることも明らかになりました。座っているよりも中強度の運動を1日30分行うと、早期死亡リスクは35%低減することが示されました。
 通勤で車を使わずに駅まで歩いたり、昼休みにお弁当を買いに出かけたりしている日本人はアメリカ人よりも平均寿命が長いのかもしれません。
 2019年1月14日「American Journal of Epidemiology」




2019・2 『脳の働きをまもるウォーキングのすすめ』
 「脳の働きをまもるウォーキングのすすめ」を、このたび宮下充正日本市民スポーツ連盟名誉会長が上梓いたしました。
 本書は“脳の働き”に焦点をしぼって、中高年齢者を中心にウォーキング/ ノルディック・ウォークの実践の必要性をわかりやすく解説しています。近年、医療の進歩やウォーキング/ノルディック・ウォークの実践にともない私たちの寿命は延び続けてきました。その結果として、身体機能を老化から守ることだけでなく、記憶や判断をつかさどる脳の機能を維持することの重要性が認識されるようになりました。それではどのようにして脳機能を維持すればよいか。 本書はこのような要請にこたえた1冊といえます。本書により一人でも多くの方が脳をまもるウォーキングを実践していただくことを祈念しております。
 本書をご希望の方は、杏林書院(http://www.kyorin-shoin.co.jp/)までお問い合わせください。




2019・1 『心身の健康のためにお風呂に入りましょう』
 ウォーキングの後お風呂に入ると気持ちもすっきりして疲れも取れますね。お風呂の効用はそれだけではありません。
〇お風呂は認知機能低下・抑うつの予防につながり介護予防になります。
2018年12月、近藤克則千葉大教授らの研究グループは、1週間に7回以上湯船につかって入浴する高齢者は、週2回以下の人に比べて要介護認定のリスクが約3割減少するとの調査結果を発表しました。入浴によるリラックス効果が認知機能低下や抑うつの予防につながっている可能性があります。調査は2010年8月〜12年1月、北海道や愛知県などの18自治体で要介護認定を受けていない65歳以上の男女計約1万4千人を対象に実施されました。調査期間中に新たに要介護認定を受けた人は約1200人。夏に週7回以上入浴していた人は週0〜2回の人より要介護認定のリスクが約28%減り、冬の入浴でも約29%減ったそうです。湯船につからず、シャワーを浴びるだけの場合は含まれていません。
〇週に5回以上入浴する人のほうが心臓や血管の機能は良好です。
愛媛大学小原克彦教授と京都大学が、入浴習慣が心機能や動脈硬化指標と関連することを明らかにし、その成果が Scientific Reports 誌で発表しました。心筋梗塞、心不全などの循環器疾患の症状を経験したことがなく、入浴習慣に関する質問に回答していた人166人を平均4.9年追跡調査した結果です。週5回以上の入浴習慣を有する人では、動脈硬化の指標である脈波伝搬速度や心負荷の指標である血中のB型心房性ナトリウム利尿ペプチドが低値を示しました。入浴は、湯温による温熱効果とともに水圧による圧迫効果があります。水圧により末梢血管内の血液が中心に集まり、これが心機能の改善につながることが知られています。
参考文献:  Kohara K, et al. Scientific Reports. 2018;8:8687. DOI:10.1038/s41598-018-26908-1




2018・12 『銀杏の精子による受粉』
 都会の秋における黄葉はなんといっても銀杏に尽きると思いますがみなさんいかがでしょうか。今年は秋も暖かかったので、新宿御苑では12月に入っても銀杏の黄葉が楽しめました(写真)。私の家の前の小さな公園にはクリスマスを迎える今も、黄色い葉をたくさんつけた銀杏の木が2本たたずんでいます。
 銀杏の樹にオスメスがあるのは皆さんご存知だと思います。しかし、銀杏の受粉は通常の植物と異なり、精子(精虫)が卵子のところまで繊毛を動かして泳いでいくことによることはご存じではないのでしょうか。
 銀杏は春、新芽の出た時分、雄花が咲いて花粉を飛ばします。花粉は雌花(ギンナンになる)の内部に取り込まれると花粉嚢となり精虫が育ちます。銀杏は約4ヶ月の間にギンナンの中に精虫が卵まで泳ぐ「海」を用意し、機が熟すると精虫は体に備えている繊毛を動かして、「海」を泳ぎ卵子の雌精器に接触して受精しギンナンの実が形成されます。種子植物でこのような生殖系をもつのはイチョウとソテツ類だけだそうです。銀杏の精虫は明治29年日本人科学者平瀬作五郎氏により発見されました。
参考文献:牧野富太郎「植物一日一題」






2018・11 『第4回アジア市民スポーツ連盟アジア大会』
 2018年11月、インドネシア国ジョグジャカルタで第4回アジア市民スポーツ連盟アジア大会(Asianpiad)が開催されました。
2018年11月16日
 第4回アジア市民スポーツ連盟アジア大会の前日です。今日はアジア5カ国の会議から始まりました。本年5月の国際市民スポーツ連盟総会において2021年の国際市民スポーツ連盟オリンピアードが韓国ソウル市で開催されることが決定したことの報告がなされました。次いで定款の改正がなされ、アジア市民スポーツ連盟の副会長が1人増えて4人となりました。アジアの会長には日本の宮下充正氏が再選され、韓国、台湾、インドネシア、ロシアの代表も副会長に選任されました。さらに2年後2020年のアジア大会はウラジオストックで開催されることも決まりました。

そのあとは、jogjakartaの州庁舎までのFlag Parade、welcome partyとにぎやかな1日でした。

 

2018年11月17日
 第4回アジア市民スポーツ連盟@インドネシア、ジョグジャカルタ州は快晴の天気に恵まれ25カ国から350人以上のウォーカーが参加しました。開会式には州知事でもあるスルタンも出席されました。

 

 第一日目のコースは、世界遺産でもあるヒンズー教の寺院、プランバナン寺院世界遺跡公園を出て、明るい農村地帯を歩きます。地元の人も道案内のスカウトたちもみな笑顔で迎えてくれます。おかげで暑さも吹き飛ぶはずはなく、ぐっしょりと汗をかいてゴールしました。

 

 2018年11月18日
 アジア市民スポーツ連盟第4回アジア大会 2日目はメラピ山のふもとを歩くコースです。朝方は曇っていましたがすぐに晴れ渡りました。道端の家の老若男女と「メラマパギ(おはようございます)」のあいさつをすると、笑顔とともに「マパギ」の返事。そしてチェックポイントやレストエリアでは「テリマカシ(ありがとう)」「サマサマ(どういたしまして)」のあいさつを繰り返しながらの10qでした。

 

 お昼前には「水泳コース」のプールで泳ぎました。

 夜は表彰式でした。完歩者にはジョグジャカルタ州のスルタンから特製のメダルが授与されました。最後にジョグジャカルタウオーキング協会からロシア、ウラジオストックのジンセンウオーキング協会にアジア大会の旗が渡されてフェアウェルパーティが終了しました。

 





2018・10・18 『「ウォーキング」は健康増進や運動のために歩くこと』
 「ウォーキング」 を広辞苑第6版で引くと、
@歩くこと。歩行。特に、健康増進や運動のために歩くこと。
Aウォーキング‐レースの略。競歩。
 「歩く」という意味のほかに、「健康のために歩く」という解説が出てきます。第5版にはなかった新しい説明です。「ウォーキング」という言葉の持つ意味自体が変わってきたのだと思います。
 一橋大学の岡本純也氏が興味ある調査をしています。朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、日経新聞の新聞記事の頻出するようになったのは1980年代半ばのことで、80年代後半になり米国から「エクササイズ・ウォーキング」が紹介されると、新聞紙上への出現頻度の増加が認められたたそうです。「エクササイズ・ウォーキング健康増進のための効果的な運動方法として紹介されています。「エクササイズ・ウォーキング」は先の広辞苑の解説の中に「健康のために歩くこと」が加わったことと無関係ではないと思います。
 1997年前後には、ウォーキングを取り巻く状況がどのように変化したのでしょうか。1997年1月に、江橋慎四郎日本市民スポーツ連盟初代会長のもとで、「イヤーラウンド通年ウォーキング制度」が制定され、日常のウォーキングの奨励が始まりました。現在まで続く日本市民スポーツ連盟イヤーラウンドコースの始まりです。同じく1月に日本ウオーキング協会が地域密着型マーチングリーグ(ブロック別マーチングリーグ)構想をスタートし、4月には「日本ウォーキング学会」設立されました。そして10月には第1回「世界ウォーキングフェスティバル」も開催されました。その結果として、1997年以降では、「ウォーキング」という言葉の出現頻度が爆発的に増加しました。
 国内のウォーキング大会でも1997年前後に創立され、20回の記念大会を迎えた大会が少なくありません。昨年20回を迎えた大会には「早春淡墨桜浪漫ウォーク」「久留米つつじマーチ」「いわて花巻イーハトーブの里ツーデーマーチ」がありました。今年は「下田水仙ツーデーマーチ」「宮崎ツーデーマーチこばやし霧島連山絶景ウォーク」「津軽路ロマン国際ツーデーマーチ」「ふくしま吾妻・荒川・花見山ツーデーマーチ」「瑠璃色ロマン神秘田沢湖ツーデーマーチ」「港よこはまツーデーマーチ」「和泉弥生ロマン・ツーデーウォーク」「城下町おだわらツーデーマーチ」が20回大会を開催し、来年には「日光ツーデーマーチ」「「美山かやぶきの里ワンデーマーチ」が20回の節目を迎えます。




2018・8・29 『歩行の終点が寿命の終点』
 北里大学で行われた研究によると、心臓病を罹患している人1300人のデータでは、心臓病の重症度にかかわらず、アシの健康が確かな人が長生きをしていたそうです。また、新潟県佐渡における研究でも、平均年齢81.9歳という高齢でかつフレイルと呼ばれる身体的予備能の少ない患者さん89症例の1年後の生命予後を決めたのは、入院中の10m努力歩行速度だったそうです。嚥下機能の評価においても同様のことが報告されています。10m努力行速度の低下している患者さんは口腔機能が低下しており、嚥下機能低下のハイリスク患者さんだったそうです。まさに歩行の終点は健康寿命です。




2018・8・29 『寺田寅彦にとっての杖とは』
 私は、ノルディック・ウォークという日本の杖を持って歩くウォーキングを、リハビリテーション病院の患者さんにも勧めています。90歳を過ぎた私の母親もこれで歩いているし、自分でも1時間以上のウォーキングをするときには用いています。さて、過去の先人は杖による歩行をどのように考え、述べているのでしょう。
 日本の自然物理学の先駆者である寺田寅彦は、夏目漱石の小説「三四郎」に登場しています。東京大学理科大学(東京大学理学部の前身)の地下室で黙々と太陽の光の力の研究をしている野々宮君という実験研究者がその人です。寺田寅彦は漱石の家にも出入りしていた弟子なので、作中人物として起用されたのでしょう。
 寺田寅彦の「杖」に関する随筆の最後にはこのように書かれています。年を取るとやはり杖が役に立つ。毎日あがる階段で杖の役に立つ程度によってその日のからだのぐあいのよしあしがわかる。健康のバロメーターになる。字引きで見ると杖の字は昔は尺度の意味であったという話があるから、昔もやはりメーターの一種であったのである。




2018・7・30 『シベリア鉄道の夜』
 2018年7月ウラジオストックでのウォーキング大会に参加しました。7日は東ヨーロッパの町並みを思わせるウラジオストックの市街地、8日は絶壁あり、林あり、海の中の岩場ありのルースキー島でした。(ウォーキングについてはWalking Lifeまたは川内基裕のFacebookをご参照ください)
 8日の夜、私たち20人は、21時ウラジオストック発のシベリア鉄道の夜行列車オケアン号でハバロフスクに向かいました。4人乗りのコンパートメントではそれぞれウォーキングの旅に祝杯をあげたのちに2段ベッドを出して眠りました。ハバロフスクまでは767kmを東京―岡山間より少し長い夜旅です。どこまででもつづく広いシベリアの大地のほんの一部でした。朝の6時過ぎに車両係のおばさんが朝ご飯を配りにきました。スポンジ生地で作ったような温かいロシア風餃子?と硬いパンでした。朝ご飯を食べて顔を洗うと8時30分にハバロフスクにつきました。一晩だけの忘れられない旅行でした。

 
 



2018・3・28 『リハビリテーションとウォーキング』
 整形外科疾患でも脳卒中でも、リハビリテーションの基本は体を動かすこと、とくに歩行です。室内歩行、院内歩行から始めて屋外歩行や公共交通機関訓練などを行います。先日は病院から道を渡るとすぐ目の前にある多磨霊園に患者さんといってきました。北原白秋のお墓にお参りして、満開の桜の中を歩いてきました。サッカーの国際試合で「ニッポン チャ チャ チャ」をはじめて考案して応援したというご夫婦のお墓もありました。

 
 



2017・12・16 『神宮外苑の銀杏』
 12月2日は神宮外苑は銀杏祭りの最中でした。野球場にはたくさんの出店があり、道は人で埋まっていました。2週間後の16日には一番手前の1本を除いて、葉っぱはみな落ち、人もまばらでした。四季の移り変わりは諸行無常です。

 



2017・11・26 『ノルディックウォークフェスタ東京ノルディック2017』
 2017年11月26日の日曜日、お台場シンボルプロムナード公園で、第4回ノルディックウォークフェスタ東京が開催されました。4月のノルディックウォークフェスタ大阪、6月の国際ノルディックウォーキングin鶴岡と同様、ノルディックウォーキングが主体となるwalking大会です。私が会長を務める東京都ノルディック・ウォーク連盟が、千葉県ウオーキング協会の応援を頂いて開催しています。第4回の今回は400名のノルディックウォーカーが集まりました。NWは高齢者やリハビリテーションの必要な人に対する歩行アシスト効果が知られています。6万8千名にも達する100歳代(センテナリアン)の国民が生活するわが国では必須のウォーキング手段といえます。今回、とても若いノルディックウォーカーもたくさん参加していただきました。私は5kmコースのアンカーとして6歳の女の子がお母さんたちとともに完歩するのに同行させていただきました。ゴールでは指導員が集まってノルディックポールで長いトンネルを作ってお迎えしました。「よくがんばったね。」みんなの心の声が伝わってくるゴールインでした。

 
 



2017・11・6 『日本スリーデーマーチとユニバーサルウォーキング』
 2017年11月3日、4日、5日の3日間にわたって開催された第40回日本スリーデーマーチが延べ10万人の参加者を迎えて盛会に終わりました。幼稚園の園児から高齢者まで、全国から集った老若男女がそれぞれの目標に向かって自然の中を歩いている姿に感動を禁じ得なかったのは私だけではないと思います。3日目の10kmコースでは83歳の女性が曲がった腰をノルディックポールでまっすぐに支えながら歩いていました。彼女はあと2年85歳までは歩きたいと言っていました。その姿に私は35回大会での思い出がよみがえりました。2日目の10kmコースには、私のすぐ前を70歳前後の男性2人が歩いていました。脳動脈疾患により半身が不自由のようでしたが、健常な腕で杖をついてしっかりと前方を見つめ、周囲の人たちと同じ速度で歩いていました。2人は知り合いではなかったようですが、2人とも自分一人でないことが心強かったに違いありません。高齢者問題に直面していかなければならない日本にとって、高齢者も集うことのできる東松山の大会はこれからの日本の市民スポーツのお手本であると思います。

 
 



2017・10・21 『バラ園遊歩道歩き初め』
 山梨県笛吹市にある富士温泉病院に、患者さんがNordic Walkingで歩ける遊歩道のあるバラ園(Rose garden)が開設されました。台風が日本に接近しつつある雨の中 でしたが、100名以上のNordic Walkerが歩き初めをしました。富士温泉病院には、股関節症の冠者さんをNordic Walkingで保存的に治療している矢野英雄名誉院長、元東京大学教授が診療されています。富士温泉病院のバラ園に日本中、世界中から股関節に障害のある人もない人も集まってNordic Walkingを楽しまれることを祈っています。

 



2017・10・9 『ハイデルベルグにある「哲学者の道」』
 ネッカー川にかかるテオドール・ボイス橋を渡り、そびえたつ山肌を曲がりくねって上がる哲学者の道を上りました。急な坂はただ歩くだけで息が切れました。哲学者の道とは言いますが、歩きながら思索する余裕はありません。考えて考えて煮詰まった頭をすっきりとさせるときにはよい運動になると思いました。京都にある琵琶湖疎水に沿った平らな穏やかな道とは大違いでした。

 



2017・8・5
 ウラジオストックから帰って久しぶりの神宮外苑NW。今日は蒸し暑い日で、常連さんも何人もお休みでした。体を大切にしてこそのwalkingですものね。それでもこの写真に入っていない初心者の方と、暑さをものともしない強者が残りました。




2017・8・1
 波音で目覚めた今日は、クラベ半島の山歩き15kmでした。山の稜線をあるくと、海の向こうには中国、北朝鮮がみえます。上り下りの急な坂道を歩きながら、草原がそのまま保たれている景色に感心しました。4時間以上もかかって帰った後は完歩メダルの贈呈式をしました。夜は保養所の女managerのバイオリン演奏を楽しんだ後、夜遅くまでロシア民謡の詩が続いていました。

  
        



2017・7・31
 今日は移動日です。朝ウラジオストックを出発しました。バスで6時間かかってロシア、中国・北朝鮮の国境地域についた後に、トラックに乗り換えて小1時間道なき野山を揺られて、クラベ半島の先端にある保養所につきました。海辺でしたので早速着替えてオホーツク海で泳ぎました。海の水は季節のせいか、温かく気持ちよかったです。水泳の後は韓国・日本連合チーム対ロシアチームでミニサッカーをしました。ロシア人のお客さんが海でウニを山ほどとってきてくれて、生のバフンウニを堪能しました。保養所の夜は発電機もとまり、波の音が聞こえるだけでした。

  



2017・7・30
 ウラジオストックの軍港祭の日です。前夜から、沖に整列した軍艦がライトアップして、クレーの「海賊船」という絵さながらでした。列の中には病院船もいました。 地元のGinseng walking協会の人たちとウラジオストックの町を歩きました。”Ginseng walking協会”は国際市民スポーツ連盟の会員で、昨年からはアジア市民スポーツ連盟の会員ともなりました。ウラジオストックは港町なので、坂が多く。1930年代からの古い建築物や街並みが残っていて、「アジアに最も近いヨーロッパ」という参加者の評がぴったりでした。
 金角湾や東ボスポラス海峡など東ローマ帝国を思わせる景色を眺めてもどりました。ウラジオトックの駅にはシベリア鉄道をモスクワに向けて出発前の電車や昔の蒸気機関車が並んでいました。

  
     



2017・7・8
 RainbowBridgeノルディックウォーキングです。満月に観覧車、屋形船の取り合わせがきれいでした。

  



2017・6・25
 鶴岡ビーチノルディックウォーク大会。日本海に沿ってどこまでも続く砂浜を皆で歩きました。

  



2017・6・17
 今日のNWは千駄ヶ谷駅前から神宮外苑をぬけてを歩きました。良い天気の上に涼しい風が吹いており、代々木公園はたくさんの人であふれていました。生のバンドにあわせて踊っている若い人のグループもいました。

  


新着情報

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 IVV認定2デーマーチ・3デーマーチ100大会以上参加表彰 山下さん受賞文

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 IVV認定2デーマーチ・3デーマーチ全大会参加表彰 中野さん受賞文

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